第4話・ラビット、人の道を外れる

[前回までのあらすじ]
 人の部屋で勝手にくつろぐラビット。
 海ちゃんの怒りの反撃に、大人しくなったラビ。 
 しかし、彼の傍若無人は収まる事を知らなかった。
 そんなある日・・・

第4話 ラビット、人の道を外れる(外道篇)

 夏休みを目前に控え、ラビットは凄まじい闘志を燃やしていた。
 かねてから自分が気に入った女性に声をかけ、知り合いぐらいになってい たのだが、ある日同じ下宿人の海ちゃんにこんなことを言い始めた。
「俺さぁ、実写版「ときめきメモリアル」を目指そうと思ってるんだけど」
「・・・はぁ?いきなり何言ってんの?」
 海ちゃんが呆れるのも当然である。
 というか何をほざいてんだと思っていた。

 しかし彼はついに実行し始めた。

 かねてから深い付き合いになりつつある「玉ちゃん」という法学部の女性と、ヨサコイのバイトで出会った「宍戸ジョー」という高校生の女性とついに「やる」と言い始めたのだ。
「お前・・・好きでもないのにやるのか?それは間違ってるぞ。」
 海ちゃんはこの時、ラビの発言の重さに気付いていなかった。
 「やる」という以前に、複数の女性と付き合い、意図的に「ときめきメモリアル」を目指している事を批判すべきであったのだ。
 それでも海ちゃんは一応ラビの暴走を止めようとした。
 あくまでも、女性達が可愛そうだと思ったからである。
「違うんだよ、海ちゃん。俺は神奈川県人が本命なんだよ。だからあくまでも女性を知るという意味なわけ。分かる?」
 そう、彼はあくまでも女性をモルモットとしか考えていないのである。
 しかもそれを正当な行為のごとく言ってきたからどうしようもない。
「かぁ~、お前はバカか!これからお前はバカビットだ!」
 そう、バカとラビットをたして「バカビット」。
 まさに彼にぴったりであった。

--その後--
 結果は彼の最後の勇気がなくBで止まっている。
 その後もなんどかホテルにはいるもののやはり勇気がなくできなかった。
 結果的に人の道を外れた者、「外道」という呼び名まで付けられたラビ。
 名づけ親の海ちゃんは「あいつはパラダイスだ」という意味深な発言をさせる事となる。

                              
[次回予告]
 ついに訪れた運命の日。
 この日を境に彼はおかしくなってしまう。
 はたしてこれは天命なのか天罰なのか?
 次回 「第5話 ラビット、エンドレス・ワルツ」をお楽しみください。

                              
   ※この物語は事実を元にしたノンフィクションです。

        総監督 海ちゃん
                              




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